旅の蜃気楼

重慶でスマホの便利さを痛感

2011/08/18 15:38

週刊BCN 2011年08月08日vol.1394掲載

【重慶発】困ったぞ。インターネットが使えなくなった。ネットの便利さは、「いつでも、どこでも、誰とでも」の利用環境にある。スマートフォン(スマホ)が登場してからは、便利さが飛躍的に高まった。スマホの電源スイッチを「ポン・パ」でメールが立ち上がる。

▼3G回線を使ったスマホの便利さはPCとは段違いだ。山登りに喩えてみよう。スマホの必要度合いは肌感覚で、水を持たずに山に入った時の怖さと同じだ。PCは地図と磁石を持たずに山に登った時の不安に似ている。重慶に着いた途端、スマホが電波を拾わなくなってしまった。困ったことになった。スマホを手にして中国のあちこちに出向くようになって以来、これは凄い、これは快適だと思っていたが、重慶の経験で3G回線が使える便利さを心底痛感した。

▼PCは、1対Nと意思の疎通ができる、という感覚だ。ではスマホはというと、いつでも1対Nと意思がつながってるぞといった感覚で、ここに差がある。とくに私は電話よりもメールを好むからなのかもしれない。それに、マップも重宝していた。初めての地に降り立ったときにも、マップ機能がナビゲートしてくれる。タクシーに乗っても、運転手が回り道などをせずに正しく走っているかどうかのチェックをすることができる。

▼タクシーは、国の成長と生活の安定度を測る格好のバロメータだ。力のある国のタクシーの共通性を列挙すると。まず車体が綺麗だ。運転手のマナーがよい。車内にイヤな臭いがしない。その逆を挙げると、こうだ。やたらクラクションを鳴らしてジグザグ運転をする。不思議なことに、クラクションの音は国の成長度合いに比例して減る。クルマも運転手も身ぎれいになってくる。この尺度に照らすと、重慶は発展の緒についた状況だ。今後、ますます市場の拡大が期待できる。(BCN社長 奥田喜久男)

重慶でもケータイは若い人の必需品となっている
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