いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>M2M(Machine to Machine)

2011/10/06 15:26

週刊BCN 2011年10月03日vol.1401掲載

〈一般的な解釈は…〉機器同士がネットワークを介して情報を交換し合う通信形態。

 「M2M(エムツーエム)」は、英語の「Machine to Machine(=機器から機器へ)」を略した言葉である。M2Mとは、人間を介さずに、機器同士がIPネットワークを通じて情報をリアルタイムで交換し合う通信形態、またはその技術を指す。IT業界のなかでも比較的新しい用語だが、通信機器の小型化や無線通信技術の進化によって、最近は認知度が高まってきている。

 M2Mは、センサを使って自動販売機やビルの空調管理システム、監視カメラといった機器が情報を交換し合うことによって、物流の改善やエネルギー使用の効率化、セキュリティの向上などを追求している。例えば、ネットワークでつながった複数台の空調機が、近くに人がいるかいないかの情報を把握して相互に知らせれば、自動的に最適な温度設定を行ってエネルギー削減を図ることができる。

 M2Mに関連するIT事業領域として、(1)M2M対応機器やセンサなどのハードウェア、(2)通信サービス、(3)システム/ネットワーク構築、(4)アプリケーション開発の四つが挙げられる。富士通やNEC、日立製作所など大手ITベンダーがM2Mプラットフォームの事業化を推進している段階にある。また、大手ITベンダーが中心となって約60社の企業が集まった「次世代M2Mコンソーシアム」がM2Mの啓発活動に取り組んでいる。

 M2Mの普及が急速に進んでいるのは、中国などの新興国だ。新興国は経済発展に伴って農村部の都市化が課題になっており、交通整理や電力供給にあたって、M2Mを技術基盤とした「スマートシティ」化に力を注いでいる。東日本大震災の発生後、日本においても「スマートシティ」がエネルギー問題の解決策の一つとして注目を浴びるようになり、M2Mの本格的な需要が盛り上がりつつある。
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