いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>RAID(レイド)

2012/03/01 15:26

週刊BCN 2012年02月27日vol.1421掲載

〈一般的な解釈は…〉数台のハードディスクをまとめて、1台の装置として管理する技術。

 「RAID」とは、ストレージを構築する技術の一つである。この技術によって、複数の外部記憶装置(ハードディスク=HDD)を仮想的に1台として管理することができる。RAIDを活用すれば、データを複数のHDDに分散して記録して、システムの高速化・安定化を実現することができる。

 RAIDは、「Redundant Array of Inexpensive Disks」という英語の頭文字をとったものである。日本語に訳せば、「安価なディスクの冗長アレイ(アレイ=データの配列)」となる。要するに、「安価なHDDを用いて、障害に備えてハードウェアを複数用意する=冗長性を備えたシステムを実現する」という意味だ。

 RAIDのシステムでは、数台のHDDを並列に接続し、他のシステムがそれらを論理的に一つのディスクとして認識する。データを分散して記録することによって、データの読み書きの高速化のほか、障害が発生した際のシステムの安定性の向上を図る。

 RAIDには、「RAID 0」から「RAID 6」まで、七つの種類がある。そのなかでよく使われるのはRAID 0、1、5、6だ。RAID 0は、データを一定の大きさのブロックに分割し、数台のHDDに分散して記録。読み込み・書き込みのスピードの向上を実現する。「ミラーリング」とも呼ばれるRAID 1は、全く同じデータを数台のHDDに記録し、HDDの片方に障害が発生してもデータの損失を防ぐ。RAID 0と1を合わせ、両方のメリットを生かしてシステムをつくることが多い。

 また、RAID 5は、パリティ(誤り訂正符号)ディスクへのアクセス集中を防ぐものだ。RAID 5を進化させたRAID 6は、パリティを二つ生成してデータを記録するので、2台のHDDが同時に故障してもデータを復旧することができるが、最低構成に4台のHDDが必要となる。
  • 1

関連記事

<ストレージメーカー座談会>クラウドを見据え、ストレージ市場が好調

<いまさら聞けないキーワード>ストレージ