北斗七星

北斗七星 2012年5月28日付 Vol.1433

2012/05/31 19:47

週刊BCN 2012年05月28日vol.1433掲載

▼赤道に近いタイは「熱帯」に属する。雨期と乾期の気候変動があるが、昨年は年間降水量が平均の1.4倍に達し、世界の主力工場を抱える工業団地に被害を及ぼした。

▼その工業団地の一つ、バンコク市街から車で1時間程度の「ナワナコン工業地帯」を訪れた。海外投資の半分ほどを日系企業が占めるタイだけあって、トヨタ自動車など著名なメーカーの工場が立ち並ぶ。現在、この地帯の周囲には、高さ3mほどの防水壁が築かれようとしている。次の被害を最小限にとどめるための策なのだ。

▼ジェトロバンコクによれば、昨年並みの雨量であれば洪水を完全に防止する術はないらしい。ただ、外資の投資を継続的に呼び込むために、工業地帯には浸水防止の予算が組まれているという。

▼東南アジアで日系企業が「勝ち組」に入っているのは、「タイだけ」とジェトロバンコクはいう。残る地域は、中国や韓国の企業の製品が市場を席巻している。親日的な民族もタイなどの国に限られる。タイは民主化が進むミャンマーやラオスなど他の国のハブとして重要な場所。IT業界も、タイとの連携を深めて、新興国進出の道筋をつけたい。(吾)
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