北斗七星

北斗七星 2012年10月22日付 vol.1453

2012/10/25 15:38

週刊BCN 2012年10月22日vol.1453掲載

▼高知県を代表する観光地の桂浜の高台には、土佐藩出身の志士、坂本龍馬の像が建っている。台座を含めた総高は13.5mという堂々たる銅像だ。太平洋を見下ろす姿は、アメリカの「自由の女神」と対照するものとして設計されたそうだ。

▼その土佐は、明治の時代に自由民権運動を起こした板垣退助や思想家の中江兆民など、数多くの偉人を輩出した。だが、今の高知県の産業衰退は著しい。基幹産業の一つである農業の就労者は年間約1000人の割で減少している状況で、次なる成長の路線を描きにくい。

▼メイド・イン・ジャパン・コンソーシアム(MIJS)が高知県で開催したイベントで、尾崎正直知事は、「全国の景気が浮上したとしても、高知の経済は低迷の一途にある」と、地方が厳しい状況にあることを述べた。他の都道府県のように、地場産業を地場で消費する「地産地消」が成り立ちにくい。そこで尾崎知事は「地産外商」という手を打ち始めた。ITなどを使って、産業を首都圏に勝るほどに高度化し、それを県外や海外に売るというもくろみだ。徐々に“輸出”できる産業が育ってきた。あとはどう流通させるかだが、龍馬ならどんな策を講じただろうか。(吾)
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