【AR(Augmented Reality)】
拡張現実。カメラで写した映像に画像や動画、テキストなどの情報を加えて表示する技術

 スマートフォンなどのカメラで写した映像に、画像や動画、テキストなどの情報を加えて表示することで、現実の世界を拡張する技術をいう。現実の世界の描画にデジタルの情報を合成して、伝える情報の幅を広げることができる。

 例えば、空箱があるとする。単に肉眼で見ただけでは、何も入っていないようにしか見えない。しかし、スマートフォンで専用のアプリケーションからカメラを起動して、空箱にカメラをかざして画面を覗き込むと、箱の中にデジタル画像のリンゴが転がっている。このように、ARは、実際には存在しないものをあたかも存在しているかのように見せることができる。

 現実の描画に仮想のコンテンツを合成することから、新感覚で楽しみやすい。そのため、スマートデバイス向けのアプリケーションやゲームなど、主にコンシューマ向けに提供されている。頓智ドットが提供しているスマートフォン向けアプリ「セカイカメラ」などが有名だ。

 一方、企業向けには、店頭のデジタルサイネージや、新聞・雑誌の広告などでの活用が進んでいる。オリジナルのARコンテンツを簡単に作成することができる製品・サービスも登場している。

 ARは、コンピュータの性能の向上や、スマートデバイスの利用の広がりによって、急速に市場が拡大すると見込まれている。調査会社のシード・プランニングは、2009年の国内のARを活用したサービスの市場規模を約200億円としており、12年には770億円、15年には1800億円まで成長すると予測している。

 ARと混同されがちな技術に、VR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)がある。ARが現実の描画に付加情報を加え、現実世界と仮想世界を融合するのに対して、VRは現実とは完全に別の世界を形成する技術だ。