紙媒体の行く末は、定期的に世上の話題になります。日本新聞協会や全国出版協会の統計では、新聞・雑誌・書籍の発行部数は、いずれも長期低落傾向。こうした状況は日本に限ったことではなく、世界中の多くのメディアが電子版の配信サービスを整備し、打開策を見出そうとしているのはご存じの通りです。
しかし、電子版がメディアの事業の根幹を支えるものになるかどうかは、いまだ不透明。そもそも、既存の新聞や雑誌が提供しているコンテンツにどれだけのニーズがあるのかという問題もあります。
では、紙に印刷したメディアはもう用済みなのでしょうか。いえいえ、紙のもつ視認性のよさや手触りといったアナログの感覚には、情報の受け手が人間である限り、一定のニーズがあるはずです。
富士ゼロックスのクラウドサービス「SkyDesk Media Switch」のように、スマートフォンという身近なデバイスを介して、紙と電子情報を有機的につなぐ新たなサービスも登場しました。IT技術の進歩が紙媒体の可能性を広げた事例といえそうです。
マルチメディアといかにスムーズにつながるか。これが紙媒体の行く末を左右するかもしれません。新たなソリューションに大いに期待しています。(本多和幸)
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富士ゼロックス、紙とマルチメディアをリンクする スマートフォン向けクラウドサービスメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.2.19」より