富士ゼロックスは、医療機関向けのドキュメント統合管理システムの販売に力を入れている。電子カルテや検査レポート、看護システムなどから出力されるデータや、スキャナで読み取った紙文書などを統合的に管理するもので、発売からこれまでの1年余りの期間で10病院ほどからの受注のめどがたった。向こう数年内には年間50病院ずつ納入できる販売体制へと強化していく。ドキュメントを別途管理することで、ベンダーロックインを解除することも期待できる。

山口功 グループ長
 医療機関向けのドキュメント統合管理システムの名称は「Apeos PEMaster ProRecord Medical(アペオス ピーイーマスター プロレコード メディカル)」で、ドキュメントだけを集中管理できるのが最大の特徴だ。

 これまで院内の電子カルテや検査レポートなどのデータの多くは、ベンダー独自の文書フォーマットやデータベース規格によって保存されてきた。このことが新しいシステム更新時に別のベンダーに乗り換える際の足かせになり、「実質、特定ベンダーによってロックイン(固定化)される原因となっている」(山口功・ヘルスケア営業部学術連携グループ長)と、富士ゼロックスでは分析した。

 そこで打ち出したのが、ドキュメントをPDFやDocuWorksなどオープンな書式で保存することで、ベンダーロックインを解除する効果を狙う方式である。システム更改時に異なるベンダーのシステムに電子カルテなどの膨大なデータを移行させようとすると、「それだけで数千万円から億単位の費用がかかることもある」そうで、バラバラの書式でそれぞれの業務システムにデータを保存する現行方式の課題を指摘する。

 「ProRecord Medical」はバッチ処理方式で、院内のあらゆるデータを一元管理する。つまり、従来の業務システムと一体化していたデータを、統合的でオープンなドキュメント管理専用のシステムに“引きはがす”ことで、システム更改時の自由度を格段に高めることを狙う。

 2011年10月の販売開始から、主に電子カルテを導入している比較的規模が大きい病院に向けてアプローチしたところ、これまに10件余りの受注にめどをつけた。うち約半数は400床以上の大病院だが、残り半分は400床未満の中規模病院が占めるなど、「ProRecord Medicalの考え方に賛同する病院の幅が予想以上に大きい」ことがわかった。今後は年間50病院ずつ納入できるよう販売に弾みをつけていく考えだ。(安藤章司)