【SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)】
インターネットで電子メールを転送するための通信規約

 直訳すると「簡易メール転送プロトコル」。インターネットで電子メールを送信するためのプロトコル(通信規約)を指す。電子メールのやり取りに広く利用されている。

 電子メールは、一見、送り手側と受け手側のクライアントが直接やり取りしているように思えるが、実際はそうではない。電子メールをやりとりするときには、一般的に送信するクライアントと受信するクライアントの間にあるメールサーバーを経由する。

 例えば、ユーザーAからBに対して電子メールを送信する場合、Aが送信するメールデータは、Aのホストメールサーバーからインターネットを通してBのホストメールサーバーに転送され、Bのメールボックスに保存される。このときにメール転送の役割を果たすのがSMTPである。

 一方、Bが自分のメールボックスからデータを受信するときには、SMTPではなく、POP(Post Office Protocol)というプロトコルを使用する。電子メールの送信はSMTP、受信はPOPと役割が分けられているのだ。

 SMTPには認証機能がなく、誰もが匿名で無差別にメールを送信することができる。このことを利用して、過去には迷惑メールが横行して社会問題となった。しかし近年では、メール送信時にユーザー認証を行う「POP before SMTP」という仕組みによって、こうした事態を防止している。POPに認証機能が備わっていることを活用して、メール送信の前にPOPによるユーザー認証を行い、認証を通過したユーザーだけに送信を許可する方式だ。

 SMTPは、標準化組織のインターネット技術タスクフォース(IETF)によって、1980年代に標準化。インターネットと電子メールの普及によって、複数の機能拡張を経て、現在は「RFC 5321」として規定されている。