【内神田発】毎朝、NHKの国際放送を見ています。世界の主要なテレビ映像が、同時通訳とともに茶の間にやってきます。テーマによっては解説つきで問題点を浮き彫りにしてくれます。NHKに依存していいのかと思いますが、一番手頃で安心感を抱いています。最近は元CIA職員の動静が旬の話題ですね。それも世界中のマスコミが賑やかに取材活動を繰り広げているように感じます。

▼今、日本と中国の関係はどうなっているのでしょうか。ニュースはその時の情勢によって、価値が変動します。それによって記事の取り扱いが変わります。テレビでいえばヘッドラインニュース、新聞でいえば1面トップ記事が重要度の高い記事です。記事の取り扱いの軽重で、ニュース発信元の編集部の考え方を知ることができます。

▼上野動物園のパンダ「シンシン」が妊娠したとか。パンダの妊娠では、その故郷の四川省の関係者との交流が密になります。パンダがもたらす日中友好の醸成ですね。昨年来、日中関係の体温はあわただしく変動しています。とても気になる動静ですから、人と会った時には中国をどうみているのかを聞くことにしています。多くの皆さんの話が私と同様に二次情報であったり、伝聞による三次情報であったりしますので、参考として拝聴します。中国に対する好意の度合いがわかります。

▼しかし、なかにはその人が直に仕入れた一次情報もあるので、聞き取りをおろそかにしてはいけません。日本企業の海外進出を支援する経産省の外郭団体があります。独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO:ジェトロ)といいます。理事長は石毛博行さん、本部は東京・大阪にあって、海外55か国に73事業所があります。陣容は国内836名、海外700名の1536名。海外に進出する際にはジェトロを足場にするのもいいですね。とくに中国の陣容は、豊富とはいえませんが、優秀な人が地元に食い込んでいます。石毛理事長はネットの挨拶で「三つある重点事業の第一に中小企業を中心とする日本企業の海外展開の支援」を高らかに謳っています。

▼中国での最近の活動を紹介します。6月13日付の四川衛星テレビ、6月14日付の四川日報ほかの中国メディアの記事です。ジェトロによる翻訳を引用します。「魏宏省長、ジェトロ石毛博行理事長と会見」が見出しです。

 魏宏 四川省共産党委員会副書記・四川省長は6月13日、ジェトロの石毛博行理事長一行と成都市にて会見した。

 魏宏省長は、四川省共産党委員会および四川省政府を代表し、ジェトロが四川省と日本の経済協力推進のために尽力している点に対し謝意を示した。魏宏省長は、「四川省は日本企業による投資を非常に歓迎しており、またジェトロの四川省における事務所設立も歓迎する。我々は引き続き投資環境の整備を進めるとともに、さらなる優遇政策を実施したい。また、交流の場を作り、日本企業と四川省企業のさらなる交流を促進し、双方の協力関係を深めていきたい」と述べた。

 石毛博行理事長は、「ジェトロは四川省との協力を非常に重視している。昨年双方間で締結した覚書を基に、防災・減災分野や、現代サービス業分野などにおける協力をさらに推進し、より良いウィン・ウィンの協力関係を構築していきたい。我々は早い時期に成都に事務所を設立し、日本企業と四川省企業のさらなる協力可能性の発掘に向け貢献していきたい」と述べた。

 甘霖副省庁および葉壮秘書長も本会見に参加した。

▼四川省長の魏さんの発言の価値をどのように評価するかが重要です。日中の距離が少し接近しているようです。パンダの無事な出産を期待しています……と書こうとしたら、今、上野動物園が「偽妊娠である可能性が高まった」と発表しました。残念。ちなみに、本場の成都で見るパンダの赤ちゃんはとてもかわいいです。
(BCN会長・奥田喜久男)
2013年6月25日記

成都のソフト政策を運用する機関がこのビルにある

成都を訪問したのはちょうど1年前。この時期の日中関係は平穏だった。
上海芝遠商務諮詢総経理の王健さん(左)と、現在BCN上海法人総経理を務める伊達和久君(右)