北斗七星

北斗七星 2013年9月30日付 vol.1499

2013/10/03 15:38

週刊BCN 2013年09月30日vol.1499掲載

▼来年4月に消費税率が8%に引き上がることがほぼ決まった。安倍晋三首相が10月1日に正式発表する。財務省の資料をみると、消費税は法人税や所得税に比べて景気の変動を受けにくい。ここ10年の推移をみると、法人・所得税は波があるのに対して、消費税はほぼ同じ。毎年10兆円程度の税収を計上している。政府としては、安定収入が見込める税を上げない手はない。安倍政権の財政立て直しが動き出すことになる。

▼消費税率の引き上げは、1997年4月に3%から5%になって以来、17年ぶりのことになる。5%への引き上げが、正式に発表されたのは1996年の6月21日で、引き上げられるまで約9か月半を要した。今回は6か月。消費者の目線でいえば、この半年で住宅や自動車、家具、家電など高額商品の購入を急ぐことになるだろう。一方、企業からすると、勘定系システムの設定、税込表示価格の変更などの仕事が増える。来年4月まではドタバタが続くはずだ。

▼IT業界でいえば、手組みでつくった古い会計・販売管理系のシステムの改修や、税率引き上げをきっかけにする業務プロセスの改善、BPOサービスを売り込む機会が増える。変化の節目にはビジネスチャンスが必ずある。商機を掴む期間は前回より短いことを念頭におく必要がある。(鈎)
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