『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1512号(1月6日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
木村 喜広(きむら よしひろ)
 2003年、新日鉄ソリューションズ(現新日鉄住金ソリューションズ)に入社。関西支社でITアウトソーシングの立ち上げを担当し、年間12億規模の実績をつくる。07年、東京本社へ異動し、金融機関向け基盤ソリューションの営業グループリーダに就任。13年4月に現職に就いた。

●所属..........
ITインフラソリューション事業本部
営業本部 ソリューション営業部
ワークスタイルイノベーションSOL営業グループリーダー
●担当する商材.......... DaaSなど、ワークスタイルの変革を支援するツール
●訪問するお客様.......... 業務改善を課題とする新規顧客
●掲げるミッション.......... 新規顧客を開拓し、製品を広く普及させること
●やり甲斐.......... 自ら組織をつくり、新規事業を軌道に乗せること
●部下を率いるコツ.......... 部下の「変わり続ける」を支援する
●リードする部下.......... 12人

 あるとき、どうしたら営業活動をもっと受注につなげることができるか、悩んでいたときに、先輩から「経営者の立場に立って、IT製品で企業をどう変えられるかを考えて提案するといい」というアドバイスをもらった。そう言われたら、勉強するしかない。さっそく、経営について書かれた本を買って回った。

 ところが、こうした本を読み進めていくにつれ、疑問が湧いてきた。「知識を吸収することはできるが、実際にはどうなの」ということだ。本で現場感覚を身につけるには、限界がある。そこで、大学で経営を学び、実践力を磨くことにした。33歳のときに大学の社会人向けコースに入り、現場に精通した講師たちから応用経営学をみっちり叩き込まれた。

 2013年4月、DaaS(Desktop as a Service)やMDM(モバイル端末管理)などの製品を取り扱う「ワークスタイルイノベーションSOL営業グループ」の立ち上げにあたっては、大学で学んだノウハウを生かすことができた。当社はこれまでもサービス事業の本格展開に何度も挑戦してきたが、「製品ができてから販売先を考える」という技術者的な発想が妨げになって、失敗を繰り返してきた。

 今度こそ、と思いながら、サービス事業の成長基盤をつくるために私が力を入れたのは、技術部隊と議論して、彼らにもビジネスの発想をもってもらうことだった。高いプライドをもつ技術者たちに、まずお客様のニーズを汲み取って、それから製品を開発することの必要性を論理的に説明することで、納得してもらった。そのおかげで、現在はとくにDaaSの案件が順調。今年度は、前年度の3倍の受注金額を見込んでいる。

 私は、お客様のワークスタイル改革を支援するツールの拡大を目指して、マーケッターとしても活動している。1~2か月に一回のペースで、お客様を集めてディスカッションする場を提供し、ソリューションの認知度の向上につなげている。DaaS製品を提供する協業メーカーに、「こんな人に会いたい」と頼み込んで、彼らの人脈を集客に生かしている。こうして社内外で経営の発想を前面に押し出すことで、サービス事業を大きな成長に導きたい。