▼大阪泉州地区でつくられる「泉州タオル」。中国からの安い輸入品に押され、生き残りを賭けて戦略的なブランド化に取り組んでいる。泉州地区のタオル生産は、川上から川下までの分業で成り立っているので、生産量を確保しなければ、業界全体が崩壊する。

▼同じく生き残りを模索する印刷業は、紙の電子化の波に押されるばかりだ。情報サービス産業も印刷業と同様とみる評論家もいる。IT業界を分類すれば、いわゆる人工(にんく)で稼ぐ受託ソフト開発は、印刷業に近いのだろう。

▼地場ITベンダーのある幹部は、「近畿圏では情報サービス産業界が二極化している」と分析する。自治体や社会インフラなどを押さえる大手メーカー系のITベンダーと下請けベンダーのコミュニティ、対するは下請けを脱却して独自ソリューションで市場を切り開くITベンダーだ。

▼前者は既得権益を維持することで、当面は事業を続けることができる。だが、受託開発なので、人材の確保が重くのしかかる。新たな道を見出すには、小回りが利かない。後者は大手が手をつけない領域で勝負。この先、どちらが勝つかは明白だ。(吾)