今日のひとことWeb版

現地化する日本食チェーン

2014/06/13 15:26

 中国で生活していると、ときに日本の食べものが恋しくなります。そんなときの私の行きつけの店が、大手牛丼チェーンの吉野家。日本でも頻繁にお世話になっていましたが、まさか中国でも通うことになるとは夢にも思いませんでした。

 店内を見渡すと、客のほとんどは中国人で、現地に深く浸透していることがよくわかります。ラーメンの一風堂や、うどんの丸亀製麺などにもよく行くのですが、繁盛しているお店はどこも地元のお客さんが中心。日本人はときたま見かける程度です。

 何度か通ううちに、現地に受け入れられている飲食店には共通点があることに気がつきました。それは、メニューが豊富なこと。例えば吉野家は、牛丼やカレーといった日本での定番メニューに加え、タコ焼きや唐揚げ、串焼きなどのサイドメニューが充実しています。ドリンクも複数のジュースを用意。いろいろなメニューを組み合わせて食事をしたいという現地人のニーズに応えています。

 また、同じ吉野家でも、上海と北京では、セットメニューが異なります。牛丼のセットは、上海が茶碗蒸しと味噌汁、北京がポテトサラダとコーラ。それぞれの地域で、現地のお客さんに受け入れられるよう、工夫しているのです。

 これをみて、私は中国のローカルビジネスを成功に導くには、日本式をそのまま持ち込むのではなく、現地化が必須と確信。ローカルビジネスに挑戦している日系IT企業にとって、他業界の成功事例には学ぶことが多いのではないでしょうか。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
KCSS、中国で販売管理業務パッケージを独自開発、日系流通・小売業向けに拡販
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.13」より
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