スマートデバイスやウェアラブルデバイス、IoT(Internet of Things)など、今後、あらゆる産業でオンライン化が進むとみられています。情報サービス業にとってはビジネスチャンスなのですが、「IT」の範囲があまりにも広くなりすぎて、対応しきれなくなる問題が現実化しているのも、また事実のようです。
日本を代表するIT業界団体、情報サービス産業協会(JISA)は、IT先進国の米国をよく研究しているのですが、GoogleやAmazon、Facebookなどの成功例をみて、「どうしてわが国にはこうした成功例が少ないのか」と頭を悩ませているとのこと。
しかし、冷静に考えると、米国IT産業の成功例の多くはコンシューマ(B2C)であり、一方でJISA会員約600社の得意分野はエンタープライズ(B2B)であることは明らか。コンシューマとエンタープライズの境界が曖昧になってきているとはいえ、やはり単純な比較は難しいといわざるを得ません。
あるJISAの幹部は、「今後、すべての企業がITをフルに活用するAmazonのようなビジネス形態になる」と予測しています。もし、すべての企業がAmazon化するのであれば、JISA会員の勧誘対象の見直しどころか、将来は情報サービス業そのものの大幅な拡大も避けられないかもしれません。(安藤章司)
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<短期連載>ITの聖地「シリコンバレー」で活躍する日本人に聞く(上)<短期連載>ITの聖地「シリコンバレー」で活躍する日本人に聞く(下)メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.3」より