その他
見逃せない米国のITトレンド クラウド/ビッグデータが本格化
2013/06/27 21:03
週刊BCN 2013年06月24日vol.1486掲載
クラウドとビッグデータの二つのITメガトレンドが、米国では次のステージに入ろうとしていることが、ここ数週間で明らかになってきた。
これまでパブリッククラウドの事業展開に消極的だったIBMが、IaaS(Infrastructure as a Service)市場に本格的に参入することを決断した。同社は、6月4日(米国時間)、大手IaaSベンダーであるソフトレイヤー・テクノロジーズ(テキサス州ダラス)の買収を発表。通信社のロイターによると、買収額は20億米ドルを超える。今後、関連部門を再編・統合し、これまで主要ターゲットに据えていなかったゲーム事業者を中心に、早いうちにパブリッククラウド市場を攻める構えだ。 米国のユーザー企業も、クラウドの利用に本腰を入れ始めたようだ。6月10日、米アップルが、クラウド基盤を活用した音楽配信サービスを今秋に開始すると発表した。「PlayStation」など、家庭用ゲーム機を展開するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)も、クラウド利用に取り組んでいる。アップルの発表と同じ日に、2014年をめどにクラウドゲーム事業に参入することを明らかにした。 クラウドの利用に積極的な姿勢を示すアップルもSCEも、IaaSベンダーにとっては大口クライアントの候補になり得る。このように、米国のパブリッククラウド市場が活況を呈する情勢にあって、IBMはIaaSへの本格参入によって、クラウド事業の大きな拡大を狙っていると読み取ることができる。 ビッグデータ活用に関しても、米国では動きがある。複数のメディアの報道によると、米政府の情報機関である「国家安全保障局(NSA)」が、西部のユタ州で大規模なデータセンター(DC)の建設を進めている。今年後半に開設するという。およそ1.5兆米ドルを投資し、ユタDCを、通信されるすべてのデータを収集・分析することに使う模様だ。 プライバシー問題の観点からユタDCをどうみるべきかはさておき、センター開設が、米政府のビッグデータ活用に関する本気度を示していることは間違いないだろう。 日本もここにきて、クラウド/ビッグデータのビジネス化が進んでいる。日本は米国と比べてITトレンドの定着が4~5年ほど遅れるといわれている。こうした点を勘案すれば、2017~18年をめどに、日本のクラウド/ビッグデータ市場が今の米国と同じ活況を呈することになると推測することができる。日本のITベンダーには、米国の動きをしっかり把握し、市場開拓に向けた準備を進めることが求められる。(ゼンフ ミシャ)
クラウドとビッグデータの二つのITメガトレンドが、米国では次のステージに入ろうとしていることが、ここ数週間で明らかになってきた。
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