今日のひとことWeb版

古くて新しい技術

2014/09/11 15:26

 ここ数年、3Dプリンタが脚光を浴びています。リコーなど、国内大手の精密機械メーカーも参入に意欲を示し、市場の拡大が期待できる分野です。しかし、3Dプリンターメーカーに話を聞くと、「基本技術は20年以上前からある枯れた技術」だと言います。

 では、どうしてここ数年で一気に市場が活性化したのか。それは、主要特許の期限が相次いで切れたことで、さまざまなプレーヤーが参入しやすくなったという背景があるようです。

 振り返ると、IT業界の勢力図を一変させるインパクトがあったクラウドコンピューティングの主要技術である仮想サーバーやベアメタルも、実は、中核となる技術はメインフレーム時代に確立されたものでした。コンピュータメーカー幹部らが「枯れた技術」だと異口同音に唱えるのも、どこか3Dプリンタとの共通点があるように思えます。

 「枯れた技術」とみられていても、アプローチの方法を変えたり、最新の技術と融合したり、あるいはまったく違う使い方をしたりすることで、巨大市場の創出へとつながる可能性を指し示しているといえそうです。(安藤章司)

【3Dプリンターの記事はこちら】
リコー、3Dプリント関連事業に参入、ものづくり変革を提案する場「RICOH Rapid Fab」を開設
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.9.11」より
  • 1

関連記事

ものづくりに革新をもたらすか 3Dプリンタ IT企業の売り方を研究する

イグアスとSOLIZE Products、3Dプリンタの販売で業務提携、米3Dシステムズ製品をトータル提供

キヤノンMJ、3Dプリンタ販売を本格化、3D CADやMRとの組み合わせで差異化

イーフロンティア 3Dプリンタ対応「Shade」に商機 国内の売上高を2倍の規模に

ヤマダ電機とイグアス、3Dプリンタの販売事業で業務提携