スクラッチ開発なんて、高いし、時間もかかるし、いまとなっては過去の遺物だ――そんなイメージがIT業界では支配的ですが、現実はそうとも限らないようです。『週刊BCN』1562号では、千寿製薬が営業支援システム(SFA)をスクラッチ開発した事例を紹介しましたが、これは非常に示唆に富んだ案件です。

 例えば、軽トラックを買いたいと考えている人がいたとして、相談したカーディーラーに超大型トラックを提案されたら、「今後、お宅とはつき合いません」ということになりかねません。しかし業種・業界によっては、「超大型トラック」のようなパッケージソフトしか存在せず、中堅・中小企業にマッチする商材がないこともあります。それなら、軽トラックのようなシステムをイチからつくったほうが低コストで目的に会ったシステムになる。そんな可能性が十分にあるわけです。

 ITベンダーが固定観念にとらわれず、適材適所の提案をするためには、スクラッチ開発も有力な選択肢になり得ることを示してくれたこの事例。受注した鈴木商店の提案のうまさも光ります。(本多和幸)

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<THE決断!ユーザーのIT導入プロセスを追う>スクラッチ開発に軍配 古くなったSFAのリプレースで決断
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.20」より