▼スマートフォンは、その名称から辛うじてまだ「電話」のカテゴリに属しているが、「電話」として使っている人は、若者を中心に激減しているのではないか。下駄箱や筆箱のように「フォン」の部分だけ有名無実化して残っていく様相である。

▼トヨタがグーグル傘下のロボット開発会社ボストン・ダイナミクスを買収するとのニュースは、昨今の「クルマのロボット化」の流れを考えれば、あながち筋違いでもない。車載ソフト開発に携わるITベンダー幹部も「内燃機関で動くものをクルマとする時代はそう長くはない」と、異口同音に話す。

▼誤解を恐れずに言えば、今のトヨタは「蒸気機関車でトップシェアを獲っている」ようなもので、いずれ時代が「ロボットカー」へ移行したとき、シェアもくつがえりかねない。トヨタ自身もそれを自覚している──、と。

▼クルマのロボット化は、先のスマートフォンのように、クルマの名前だけを残し、中身をソフトウェアで動くロボットカーへと変えていく。主役はソフトウェアだ。日本のITベンダーが存在感を発揮するチャンスである。(寶)