BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『あきらめないランニング』

2016/06/16 15:27

週刊BCN 2016年06月13日vol.1632掲載

本当は楽しいランニング

 ダイエットや体力維持を意識してランニングを始めるも、「苦しい」「膝が痛い」などの理由をつけてやめてしまう人は多い。大事なのは長く続けること。

 ランニングを始めたばかりの頃は、誰もが走ることを苦しいと感じるもの。だが、気持ちよさそうに走っている人を見ると、「自分には向いていない」と思ってしまう。走る距離が伸び始めると楽しさがわかってくるのに、その前の段階で脱落していく。

 膝が痛くなるのは、いきなり無理をしてしまう人にありがち。フォームが悪くてひざを痛めるケースもあるが、大抵は筋力不足が原因。ムリをしないで、少しずつランニングができる体をつくっていくことが大事だが、運動経験者であれば若い頃のイメージで走ってしまう。筋力も体系も若い頃とは違うので、故障へとつながっていく。

 そんな脱落者を出さないように、これからランニングを始めたい人に、“続く”方法を指南するのが本書である。まずは「ウォーキングから始める」「ウェアを着てみる」という走るきっかけからていねいに紹介。走るまえの筋力チェック、ウォーキングとランニングの違いなど、ケガの防止につながるアドバイスもありがたい。

 道に飽きたら公園へ、そして山道を走るトレイルランへ。徐々に走る楽しみを広げていって、最終的にはマラソン大会に参加する。本書のアドバイスをしっかりこなしていくと、「まったく走れなかった私が、フルマラソン完走!」も、夢ではない。(亭)

『あきらめないランニング』白方健一、ナイスク 著技術評論社 刊(1280円+税)
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