グローバル市場で存在感を示すことができている日本のITベンダーは、残念ながら非常に数が限られます。そんななかで、近年、海外ビジネスを順調に伸ばしてきたサイボウズの取り組みは示唆に富んでいます。

 まずは中国で先行して営業・サポートの基盤づくりを進め、同国内ではすでに700社規模の顧客を獲得しており、ローカル企業相手のビジネスも着実に増えています。また、米国、東南アジア、オーストラリアなどでも拡販のための体制整備を着実に進めてきました。

 注目したいのは、製品の機能向上やコスト面でのユーザーニーズに積極的に応えようとしているだけでなく、同社製品・サービスを通じて「チームの業務改善、働き方改革」を実現するというそもそものコンセプトを、ていねいに市場に訴えてきたことが実を結びつつあるということです。そうした取り組みには、チームワークや働き方改革に関する知見の蓄積や自社内での実践も含まれます。

 まさに、急がば回れ。安くていい製品を追い求めるのはメーカーにとってもちろん必要なことですが、啓発のための取り組みを含む市場の下地づくりの労を惜しまないことが、結果的により大きなビジネス上の成功の基礎になり得るといえそうです。(本多和幸)

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サイボウズ、「kintone」の販路をミャンマーとフィリピンに拡大
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.11.22」より