▼あまりに複雑な因果関係の上に成り立つ現象は、物理法則に則って結果を予測しようとしても正解を導くことはできないとする「カオス理論」。因果関係が複雑すぎると、最初の条件=初期値設定がほんの少し違うだけで、まったく違った結果が導かれるので、数学的に決定されている未来であっても予測はできないという理屈だ。天気予報が100%当たるわけではなく、長期になるほど正確な予測が難しくなっていくというのはその典型例である。

▼IoTによる情報のデジタル化と可視化、AIを活用したビッグデータ解析などが進む世界は、カオス理論を乗り越えるだろうか。カオス的な性質をもつ事象であるかどうかはともかくとして、可視化できる情報、予測できる事象は、従来よりもずっと増えていくのは間違いない。

▼IT市場はデジタル変革の時代を迎え、ハードウェアや業務アプリケーションなど、一時コモディティ化したと思われていた市場も勢力図に変化が起きつつある。一種のカオス状態だ。今日の勝者は明日の敗者になる可能性も。どのITベンダーが生き残り、淘汰されるのか、行く末を予測するのは、それこそ困難だ。(霹)