東京都議会選挙は自民党の歴史的大惨敗で幕を閉じました。直前の国会からの流れを引きずり、多くのマスコミ報道でも、自民党への批判が吹き荒れるなかでの選挙戦という印象でした。そうした報道のなかで、おやと思ったのは、総務政務官を務める金子恵美・衆院議員が、お子さんを保育所に送迎する際に公用車を使ったとする批判でした。この問題が、「自民党・魔の二回生」と括られて、金銭トラブルや失言・暴言、秘書への暴行・パワハラ疑惑などと一緒に論じられるのは、非常に大きな違和感がありました。野党の女性議員がどう反応しているのか気になって調べてみたのですが、民進党・蓮舫代表のFacebookでの投稿をみると、「公私混同」「自民党の特権意識の表れ」とのこと。なるほど……。

 一方、金子議員のブログでは、総務省の公用車運用ルール上は問題のない使い方だが、そもそも公用車に家族を同乗させていいのかという批判を真摯に受け止めるとしたうえで、こう続けています。「仕事と家庭の両立に悩みながら、日々をなんとかやり繰りされているご家庭の皆様、保育所にお子さまを預けることができず不安な日々を送っておられる皆様に、不快な思いをさせてしまったのではと、心より申し訳なく思う次第です」。その後の報道によると、今後はお子さんを公用車には乗せない意向も示したとのことですが、本当にそれでいいのでしょうか。「政務官を務めるような人材には、使えるものはガンガン使ってもらい、できるだけ効率的に日常生活のフローを組み立て、公務に邁進してほしい」と考える国民だってたくさんいると思うのですが。

 子育てや介護などと仕事を両立させる「働き方改革」は、今後の日本の国力を左右する重要課題。IT産業からも、先端のテクノロジーを駆使したさまざまな課題解決の提案が生まれています。政治の世界の安易な人気取りや政局が絡んだ合理性のかけらもない議論によって、その進展を阻むようなことだけは避けてほしいものです。(本多和幸)