もはや「新興ベンダー」と呼ぶのを躊躇するほどに、市場にそのブランドを浸透させた感のあるクラウド業務アプリケーションベンダーのfreee。従来の個人事業主・小規模零細企業向け製品から、中堅中小企業向け製品へとビジネス領域を本格的に拡大しています。国内中堅中小企業向け基幹業務ソフトの有力販社でもある大手事務機メーカーの富士ゼロックスとソリューション提供、販売の両面で連携することを発表したのは、その象徴的な動きといえます。

 freeeは、FinTechのトレンドをけん引する注目ベンチャーでもあり、金融機関と連携した新サービスの開発などにも積極的です。一方で、基幹業務アプリケーションは、文字通りユーザー企業のビジネスの根幹を支えるアプリケーションですので、ベンダーには製品を提供し続ける責任があるといえるでしょう。同社は累計約100億円という多額の資金調達に成功し、積極的な投資を継続していますが、事業の持続可能性をどう市場に示すのか、そろそろ問われているように思えます。freeeを迎え撃つ既存の基幹業務アプリケーション/ERPベンダーも黙ってはいないでしょう。今後、おもしろくなりそうな市場の一つとして注目しています。(本多和幸)