▼九州地方を中心に豪雨が非常に深刻な被害をもたらしている。体感として、大規模な洪水をもたらす豪雨災害は増えている。日本の(場合によっては世界の)気候が完全に変わってきていると感じる人は少なくないだろう。

▼気象庁やウェザーニューズのデータを見ると、時間降水量50ミリ以上の「非常に激しい雨」や80ミリ以上の「猛烈な雨」は明らかに増加傾向にある。IPCCも長期的に地球規模で降水量は増加すると予測している。こうした状況を踏まえ、行政の浸水対策も、河川や下水道の整備などのハード対策だけでなく、住民の避難を支援するソフト対策を重視するようになった。「自助」の意識もより重要になってきている。

▼イタリアの知性ともいわれる小説家であり物理学者のパオロ・ジョルダーノがコロナ禍中に執筆したエッセイ集「コロナの時代の僕ら」では、人間のこれまでの社会活動による環境破壊が、新型コロナの感染拡大の遠因になったという指摘がある。目下の難局をどう乗り越えるのか、考え方はいろいろあるだろうが、大きな変化を現実として受け入れ、現状の棚卸しをするタイミングであるのは間違いない。その上で新しい時代の全体最適を考えたい。(霹)