▼歴史を紐解くまでもなく、隣同士の国や地域が強烈なライバル意識を持つという事例はいくらでも挙げることができる。人間が共同体や社会という概念を持つようになったころからの変わらぬ性と言っていいかもしれない。

▼いきなりローカルな話になるが、山形県の酒田市と鶴岡市は庄内地方の覇権?を争うライバル同士だ。中世から海運の要衝だった商業の街である酒田と、庄内藩の城下町として栄えた鶴岡。よそから見れば田舎のつまらぬ主導権争いだろうが、この種の関係にはそれぞれそれなりの歴史的経緯がある。

▼鶴岡市は一昨年、DXのパートナーとしてNRIとの連携を発表した。一方の酒田市は昨年、NTTデータやNTT東と連携協定を結び、同市出身のNTTデータ・本間社長をデジタル変革責任者に据えた。日本を代表するSIer2社がライバル同士を支援する形になったのが面白い。

▼両市は互いへのライバル意識の影響を公式には否定するかもしれないが、結果的にNTTデータとNRIの担当者も競合が支援する隣市を意識して成果を競わざるを得なくなる。根深い地域間のライバル意識も、ポジティブな競争につなげられるなら悪くない。(霹)