今日は何の日

<今日は何の日>7月12日『ラジオ本放送の日』

2021/07/16 09:00

週刊BCN 2021年07月12日vol.1882掲載

AMラジオ100年の転換点

 日本でラジオ放送が始まったのは1925年。3月22日に芝浦の仮送信所から仮放送として開始され、同年7月12日には愛宕山に送信所を移し、本放送に移行した。愛宕山は天然の山としては東京23区内で最も高く、東京市街をカバーするのに最適だったのだろう。現在愛宕山にはNHK放送博物館が設置されている。
 

 当時はもちろんAM放送のみだが、これは現在のAMラジオの電波形式と同じ。日進月歩の通信の世界で、100年近くも同じテクノロジーが使われ続けているのは珍しい。しかし、いよいよAMラジオにも大転換期が訪れようとしている。今年6月、全国の民放AM局(一部除く)は2028年をめどにFM放送へ移行する方針を発表した。広大な土地と巨大なアンテナが必要なAM送信所の維持・保守が困難になりつつあることから、低コストなFMへ転換を図ろうとしているのだ。AMラジオと言えば電子工作の入門課題として定番だったが、AMではNHKしか聞けなくなるのは少し寂しい気がする。(螺)


由来
1925(大正14)年、東京放送局(NHKの前身)が愛宕山からラジオの本放送を開始した。米国で無線による音声通信が成功した1906年12月24日からわずか19年足らずの出来事だった。
 
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