ずいぶん昔のことですが、とある地方都市の役所で長期にわたって取材活動をしていたことがあります。そのときに感じたのは、役所の仕事が多岐にわたり、業務量も膨大なのだということでした。産業、土木、保健、福祉、教育、観光、文化、環境衛生……。「ゆりかごから墓場まで」ではないですが、思いつくだけでも多様な業務分野が存在し、それぞれの分野においても、さまざまな領域へ分かれていきます。住民の暮らしを支えるのですから当たり前なのかもしれませんが、民間ではここまで業務分野が複雑化することはあまりないでしょう。先日、久しぶりに対面取材の機会がありました。移動には地下鉄を使いましたが、ホームに入ってきた車両には大勢の人の姿。ほぼ無縁になっていた満員電車です。

 その一方で、職員を増やすことへの風当たりは強く、正規職員はおろか、非正規職員ですら十分に配置されているとは言い難い状況がありました。この新型コロナ禍において、行政対応に不満を抱く人も少なくないと思います。ただ、行政のマンパワーに余裕がないことも対応に不備が生まれた要因の一つなのかもしれません。もちろん、公金を使う以上、無駄な支出を避ける必要があるのも理解できますし、適正な職員規模を求めることは非常に難しい問題だといえます。

 人員をなかなか増やせない以上、いかに業務を効率化していくかが大きな鍵になります。札幌市は児童手当支給の認定業務にRPAツールを導入し、自動化を進めています。札幌市に限らず、他の自治体でもITツールによる業務効率化は進むでしょう。行政は紙文化が根強い職種でもあり、デジタル化の余地は大きいと思います。私がかつて通っていた役所の職員の皆さんも、デジタル化の恩恵を受け、少しでも業務量が削減できていればと願っています。(藤岡堯)

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