確信につながる切れ味の良い質問

 本書では、20年以上にわたって戦略コンサルティングに携わってきた著者が、戦略やビジネスモデルの発想を支援するために経営者と対話する間、どのような質問を投げかけてひらめきを促してきたかが紹介されている。例えば、人材不足に対応するための採用戦略。これに関して、著者はこのような質問を用意している。「あなたの会社で幸せになれる人は、どんなタイプの人ですか?」
 

 あらゆる企業が「優秀な人材がほしい」と思っているが、誰もがうらやむ人気企業や、多額の報酬を出せる企業でない限り、単に「優秀な人」とだけ言っても採用は困難だ。前出のような質問をすることで、一般的に優秀な人ではなく、その企業が本当に今必要としており、なおかつその企業にふさわしい人材はどのような人か、価値観が明確化されるし、その人材が持つ能力を発揮してもらうための環境作りにも身が入る。

 企業にとっていわば“戦略の戦略”と言えるのがビジョンだが、それに関してはこのような質問がある。「もし、あなたの会社が、今、突如この世から消えたら、誰が悲しむでしょうか?」。この質問に答えられないならば、その企業のビジョンは機能していない。自社が世の中に求められているか、自問自答し続ける必要がある。(螺)


『戦略質問』
金巻龍一 著
東洋経済新報社 刊 1980円(税込み)