疲れず、ゆとりをもつ

　なぜ頑張っているのか、そんな考えが頭によぎった休日に書店へ寄り、膨大な数が並ぶ書籍を適当に眺めていると、ふとこの書籍の見出しが浮かんでくるように目に留まった。そんなにうまい話があるのだろうかと思いながら、見出しに釣られて試しに手に取ってみることにした。
 
　まず冒頭の「はじめに」や目次だけでも確認するために読み進めると、文章の構成は主に、日常生活で起こりうるケーススタディを通じて、頑張らなくても要領をつかむ方法を「実験」「結果」「解説」「結論」の流れで伝えている。一つの事例は左右2ページ分と簡潔にまとめてあり、区切りもつけやすく読むことに疲れも感じない。

　88通りの事例を「がんばらずにパフォーマンスが上がるメソッド」や「ネガティブな感情を味方にするメソッド」など各ポイントを7章に分けて紹介している。気が向いた時や何かの合間に少しだけ、というときにも楽しんで読める内容となっている。

　「頑張って」と声をかけることに対して、相手の置かれている状況や心理的な状態に応じてプラスにもマイナスにも作用する。頑張らなくてもコツを掴んで上手に生活していけるようなことができれば、日々の生活で気持ちにゆとりをもてることにもつながっていきそうだ。（果）


『がんばらない生き方大全　珠玉の心理テクニック88』
内藤 誼人　著
SBクリエイティブ　刊　1650円（税込）