▼日本は商用電源の信頼性・可用性が高い国として知られる。停電がほとんどないため、データセンターなどに設置される非常用発電設備も、点検以外では一度も作動することなく寿命を迎えることが少なくないという。

▼しかし3月22日、政府は初となる「電力需給ひっ迫警報」を出し、異例の節電呼びかけを行った。前の週に起きた地震で2基の火力発電所が停止していたところに、季節外れの寒波が襲来。電力使用率は一時107%に上り、東京電力管内で停電発生の一歩手前まで追い込まれた。

▼思い返せば、1980年代ごろまでは予告なく停電が発生することは決して珍しくなかった。特に大災害への備えというわけではなくとも、取り出しやすいところに懐中電灯を常備していた家庭も多かった。いつでも電気が使えるのは当たり前ではないということをあらためて知る機会となった。

▼製造業大手では、自家発電比率の引き上げや、大電力を要する工程を翌日に回すなどして節電に協力する企業があった。止めないことを前提とするITの世界で同じような対応は容易ではないが、何らかの形で「節電モード」を実現する業界の取り組みも必要ではないか。(螺)