▼今年の年始に115円前後で推移していた円相場は、本稿執筆時点で133円まで下落し、2002年4月以来約20年ぶりの円安を更新している。日銀が金融緩和を継続する一方、米国は今後も利上げを進めるとみられており、金利差は開く一方。円を売る動きが継続している。

▼アップルは米国時間6日に「MacBook」の新製品を発表した。通常であれば既存機種に対して値下げが行われると考えられるところ、日本市場では急激な円安を反映し、1割以上の値上げとなった。エネルギー、食料、そして情報機器の価格高騰と、一般消費者にとっては苦しいことばかり。しかし、日本の基幹産業である自動車を中心とした輸出産業では、原材料費の上昇を差し引いてもまだ円安の恩恵があるという。

▼海外事業に積極的なITベンダーの間でも、この為替相場は業績を押し上げる要因となっている。消費者と企業との間で為替に対する見方がこれだけ違うのであれば、企業には賃上げなどでそのギャップを埋める役割を期待したい。ソフトウェア業界は、他の産業に比べれば原価に対する為替の影響が少ない。外で稼ぐ力を蓄えることは、日本の社会にとっても救いとなる。(螺)