▼年末年始の休みを終え、すでに仕事が始まっている人も多いだろう。今年はどんな１年になるのか楽しみだ……などと書き始めてみたが、これを書いているのは２０２２年のクリスマス当日。紅白歌合戦の結果も、箱根駅伝の優勝校も、分かっていない。

▼どれだけ技術が発達しても、本紙のような紙媒体は、ウェブ媒体のようにリアルタイムに情報を発信することはできない。とはいえ、速さだけにこだわっていても意味はないようにも思う。ニュースメディアにとって速報性は確かに重要だが、速いだけの情報は、価値が失われるスピードも著しい。

▼ウェブで簡単に素早く情報が発信できる現代だからこそ、紙であろうが、ウェブであろうが、速さに負けない価値のあるコンテンツを届けることが求められているはずだ。それはリアルタイムに情報を伝えるよりも難しいことかもしれないが、本紙ならではの視点を追求できれば、不可能ではないだろう。

▼23年は卯年。うさぎのようにぴょんと大きく飛び跳ねたい気持ちを抱きつつ、加速を続ける時代の波にあらがい、亀のようにどっしりと、着実に、価値のある情報を読者の皆様に伝えていきたい。（無）