BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『教養としてのコーヒー』

2025/10/17 09:00

週刊BCN 2025年10月13日vol.2078掲載

コーヒー豆は鮮度が重要

 1日の仕事始めにはコーヒーが欠かせない。コーヒーを飲みながら心を整え、その日取り組むべきタスクを整理している。接し方はそれぞれだろうが、日常生活の中にコーヒーを飲む習慣を持つ人は記者だけではないだろう。

 本書ではコーヒーが人々に受け入れられた歴史や、飲まれ方の変遷を紹介する。普段何気なく飲むコーヒーの魅力を再発見できる一冊だ。

 コーヒー業界では、現代は「サードウェーブ」と呼ばれる流行の波の中にいる。19世紀後半から始まった「ファーストウェーブ」はインスタントコーヒーが生まれたことによる大量生産・大量消費の時代。1960年代からの「セカンドウェーブ」では「ラテ」などの新しい飲み方が提案された。90年代後半以降のサードウェーブでは豆そのものの美味しさが追求されている。

 コーヒー豆の販売店に行くと、さまざまな豆が並べられていて、つい大量に購入したくなる。ただ、コーヒー豆は生鮮食品であるため、筆者はなるべく鮮度が高い豆を1~2週間で飲み切れる量を買うことを勧めている。週末にさまざまな新鮮な豆を買い求めながら、こだわりの品種を探すことが豊かなコーヒーとの付き合い方になりそうだ。
(石)
 


『教養としてのコーヒー』
井崎英典  著
SBクリエイティブ 刊 1045円(税込)
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