▼高市早苗首相は1月19日、衆議院解散の意向を表明した。高い支持率を背景にした決断だが、代償として、新年度予算の3月中の成立は困難に。国民生活を救う経済政策の実施よりも、政権の求心力を優先した形だ。
▼一方、立憲民主党は公明党と合流し中道改革連合を立ち上げた。エネルギーや安全保障といった分野では公明に歩み寄った”現実路線”を掲げるが、過去の立憲の主張とは少なからず齟齬がある。与野党それぞれ、大義や理念に疑問があるという批判は免れないだろう。
▼選挙を控え、SNS上では政治的な主張を目にする機会が一層増えた。看過できないのは、生成AIで作成したとみられる偽の画像や音声によって、対立陣営をおとしめようとする投稿が後を絶たないことだ。
▼人は事実や論理よりも快・不快に左右されやすい存在だ。感情に訴える戦術そのものを否定することは難しい。しかし、閲覧数が金銭的利益に直結するSNSの仕組みが、社会の意思決定をゆがめているのだとしたら、その影響は将来に深い禍根を残す。デマを排除する仕組みの整備と同時に、そのような情報を受け入れない価値観を育てられるかが問われている。(螺)