▼記者の住む自治体は、ごみ排出量が全国でトップクラスに少ないという。近くの駅には、これを讃える横断幕が掲示され、市民に感謝を伝えている。これ自体は良いことであるし、成果を広めてシビックプライドを醸成したい思いも理解はできるが、どこか釈然としない。
▼当地の指定有料ごみ袋は全国的に見ても高額だという。「最もごみ減量に効果的だと考えられる価格」として、負担感を確実に感じるように設定されたそうだ。多くの住民は、経済的要因からいやいや減らしているだけなのでは、とも思う。
▼土地や家賃の安い郊外型ベッドタウンであり、学生も多い当地では、住民の可処分所得が都心部と比べて低く、負担をより強く感じやすい可能性がある。ごみ処理は排出者に責任があるのでやむを得ないが、これで誇りや暮らしへの満足感が生まれるのだろうか。
▼企業もまた、さまざまな成果を喧伝する。例えば「AIで生産性が○%改善した」。しかし、作業の生産性が上がったところで、収益は上がらず、従業員体験が低下することもある。リビングで可燃ごみを袋一杯に押し込みながら、成果とは何だろうかと考えている。(無)