ヒットを生むのは多様性
アクションやミステリー、パズルなどゲームにはさまざまなジャンルがある。中でも本書では、「ポケットモンスター」や「女神転生」などの国産RPGに焦点を当て、物語の伝え方や楽しみ方をいかに広げてきたのかを論じている。
RPGは、反射神経や高度な思考力などを必要とせず、誰でも時間をかければ自分の力でエンディングにたどり着くことができる。このカジュアルさとユニバーサル性が、物語の入れ物として人気を呼び、一時代を築いた。
現在の大手ゲーム会社が手掛ける国産RPGは大作化が進み、巨大な開発チームが5年以上をかけて制作している。しかし、かつてはより多くの今より小規模なチームが、1~2年で新作を世に送り出していた。現在までシリーズとして続く「ドラゴンクエスト」などの名作も、そうした中で生まれたものだ。
過去の実績があるシリーズの新作は期待を集めるが、同じような傾向の作品ばかりではプレイヤーも離れてしまう。エンターテインメントに唯一の正解はないので成功の再現は難しいが、失敗には再現性がある。原点となるような傑作を生み出すには、失敗から学びつつ、全く新しいことに挑戦し続けることが重要なのかもしれない。(駄)
『国産RPGクロニクル 物語の革命者たち』
渡辺範明 著
イースト・プレス 刊 2090円(税込)