▼世の中に数ある会員制ポイントサービスの中でも、最も大規模なものの一つが、航空会社のマイレージプログラムだろう。飛行した距離や座席種別に応じたマイルを付与し、それと交換可能な特典として無料航空券などを提供するほか、利用実績の多い乗客には”上級会員”の資格を付与し、空港ラウンジの利用権や優先搭乗などのサービスをあてがう、顧客囲い込み戦略である。
▼マイレージプログラムは1980年代に米国の航空会社で始まり、90年代後半から国内でも本格化した。上級会員資格を目的にした旅行にのめり込む人は、今も世界中に多く存在する。かく言う私も、航空券が安かった昔、無茶な旅程でのマイル稼ぎを楽しんだ経験がある。ただ、プログラムは年々複雑化し、難解な仕組みを攻略するゲームのような側面も強まっていった。
▼米国では、安価な航空券の場合は上級会員であってもラウンジ利用を認めない航空会社も出てきた。マイル数よりも、会員の支払い額をより重視する考え方だ。国内でもプログラムの見直しに動く航空会社がある。本当の「お得意様」とは誰なのか。ポイント制度の見直しは、その企業がどの顧客を最も重視するのかの意思表示でもある。(螺)