▼スマートフォンであるニュースサイトを開くと、画面いっぱいに広告が表示された。閉じようと思っても、どこを押せば閉じられるかが一目では分からない。よくよく確認してボタンを見つけたものの、もはや記事を読む気は失せ、そのままサイトを閉じてしまった。
▼メディアに広告が欠かせないのは、内側にいる人間として理解するが、読者を不快にさせる方法で広告効果が生まれるのか不思議に思う。短期的な広告収益と引き換えに、読者体験を損なうことで、誰が得をするのだろうか。
▼読み手を欺く「ダークパターン」(ディセプティブパターンとも呼ばれる)表示について、消費者庁は規制を強化する方針を示している。ただ、単に閉じにくいだけの広告が規制の対象に含まれるかは微妙であり、業界の自浄作用が求められる。
▼そもそも、Web広告の内容自体もつまらないものが増えたように感じる。広告の質は媒体の質に直結する。読者にも広告主にも価値のある広告とはどのようなものか。これを真摯に考えなければならない。目先の広告収益は数字に表れても、失われた信頼はどこにも記録されない。弊紙も他人事ではない。(無)