Zoomの成長を、いま現場で形にしているのはお客様とパートナーだ。Zoomを提供しているZVC JAPANでは、7月7日に「Zoom CX Summit Tokyo」をKABUTO ONE HALL & CONFERENECEで開催した。セッションの中から、本稿ではユーコット・インフォテクノ、NTTドコモビジネス、NECネッツエスアイの3社を取り上げる。会話から業務完結までを一気通貫で支えるZoom CXの価値を、現場の成果、基盤の整備、伴走支援という3つの側面から示した。
AIが生んだ週392時間を顧客体験に再投資
基調講演に登壇したZVC Japanの代表取締役会長兼社長下垣 典弘氏は、米メジャーリーグ(MLB)のZoom活用事例を紹介した。MLBはファン向けのカスタマーサービスにZoom Contact Centerを導入。AIがエージェントやスーパーバイザーの業務を支援した結果、週392時間を削減した。創出された余剰時間は、コーチングや品質改善など、より良い顧客体験への投資に充てられる。
下垣氏は「AIの価値は、人を置き換えて時間を短縮することではない。取り戻した時間をお客様に還元することにこそある」と語る。効率化の先に「成果を生み出すCX」へ。このメッセージを、3社の事例が裏づけていく。
ZVC Japan (Zoom)
代表取締役会長兼社長
下垣 典弘氏
「呼損」などを改善。AI前提の業務設計が成果を生む
UCCグループのICT戦略会社であるユーコット・インフォテクノは、コーヒーマシンの販売・保守を手がけているグループ企業・ラッキーコーヒーマシンでのコンタクトセンター改革を紹介した。
月約6000件の問い合わせが寄せられる同センターは、後処理のため入電の20%を取り逃す「呼損」、ナレッジの属人化、200種類超のマシンに対応するため新人育成に4カ月を要する、という3つの課題を抱えていた。
そこで電話基盤にZoom Contact Centerを採用し、ケース管理のServiceNowとCTI・ナレッジ・APIの3点で連携。複雑な開発なしに受電から修理手配までをつないだ。会話を自動要約するAIで後処理を圧縮した結果、1件あたりの平均処理時間(AHT)は7分から5分に短縮され、呼損も改善傾向にある。
同社ビジネスデザイン&ソリューション本部係長の内藤 康博氏は「AIを後から付け足すのではなく、ナレッジの整備を含めてAIが生きる業務の流れを設計した」と説明する。
ユーコット・インフォテクノ
ビジネスデザイン&ソリューション本部
ビジネスデザイン部
係長
内藤 康博氏
Zoom PhoneとZoom Contact Centerを同じ回線で扱える唯一のキャリア
NTTドコモビジネスが紹介したのは、クラウド接続型外線サービス「Arcstar IP Voice Connect」だ。2023年12月の提供開始後、対応するクラウドサービスを広げ、2026年1月にZoom PhoneとZoom Contact Center向けプランの提供を開始した。
従来、電話回線をクラウドのコンタクトセンターにつなぐには、SBC(Session Border Controller)やゲートウェイなどの装置をオンプレミス環境に用意する必要があった。しかし同サービスは申し込みだけでフルクラウドの外線発着信を実現し、設備も維持費用も不要になる。
Zoom PhoneとZoom Contact Centerの両方に回線を提供しているキャリアは現在同社のみ。またZoom Contact CenterはISMAP認証を取得しているため、金融・自治体・公共領域での導入が進んでいる。同回線サービスはZoom導入を後押しする強みとなっている。
同サービスの販売推進を担当する藤井 優介氏は「AI時代の音声基盤は品質と安定性が要となる。高品質な音声を安定して届けるのはキャリアの責務だ」と強調した。
NTTドコモビジネス
プラットフォームサービス本部
コミュニケーション&アプリケーションサービス部
販売推進部門
藤井 優介氏
AIボイスボットでサポート対応の85%自動化。構想から定着まで伴走するSIer
NECネッツエスアイは2017年から法人向けZoomサービスを提供する国内最古参のパートナーで、導入支援は2万社を超える。また同時にNECグループでは約11万人がZoom Phoneを使っており、「自らが実践者」であることが強みだ。
同社はコンタクトセンター変革を、クラウド化による柔軟性確保、AI活用による生産性向上、全社データ活用による事業価値創出という3段階で捉え、ワンストップで支援する。
同社のZoomサポートデスクでは、4月からAIボイスボットによる一次対応を開始した。問い合わせの85%をAIで完結させ、24時間365日対応も実現。機能が同一プラットフォームにまとまり、「活用するための投資」に集中できる。
コミュニケーションビジネス部プロジェクト担当部長の竹安 洋平氏は「移行の現場ではフルリプレースを望む企業は意外と少ない。段階的な移行計画を顧客と共に描くことが重要だ」と語った。
NECネッツエスアイ
パブリック・パートナーソリューション事業部
コミュニケーションビジネス部
プロジェクト担当部長
竹安 洋平氏
現場で成果を出す、音声基盤を整える、定着まで伴走する。3社が示したのは、Zoom CXやAIを的確に業務へ組み込む力だ。Zoom CXは、AIエージェントやデータ活用を軸に、会話から業務完結までを担うプラットフォームへと展開していく。
そこで問われるのは成果に変える実装力だ。構想から定着まで伴走できるパートナーにこそ商機がある。効率化の先で「成果を生み出すCX」を現場に届ける。Zoom CXの進化はこれからも続いていく。
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