液晶ディスプレイ付属モデルのラインアップが増えたことで、デスクトップパソコンの店頭平均実売価格が上昇傾向にある。これによって、ノートパソコンとの実売価格の差が縮まり、結果的にデスクトップパソコンの価格優位性が揺らぐことにもなりかねない。パソコン全体におけるデスクトップの販売構成比率は、2001年12月時点で40%を切る状況。省スペース性は、パソコン購入者にとって重要な購入決定条件であるだけに、ノートパソコンとの優位性を出すためにも、さらなる値下げが望まれる。

平均実売単価が上昇

 デスクトップパソコンとノートパソコンの平均実売単価の差が徐々に縮まっている。

 BCNランキングの月次集計によると、デスクトップパソコンの平均実売単価は01年12月時点で18万4255円、ノートパソコンは18万8804円となっている。01年7月の時点ではデスクトップパソコンが17万1872円、ノートパソコンが19万3858円。デスクトップパソコンの平均実売単価上昇率が、ノートパソコンのそれを上回っている。この原因は、液晶ディスプレイ付属モデルの増加。01年12月のデスクトップパソコン全体における液晶ディスプレイ付属モデルの販売台数比率は62.4%だった。

 従来、CRTディスプレイ付属モデルは液晶付属モデルと比較して価格が安く、デスクトップパソコン全体で大きな構成比率をもっていた。しかし、設置スペースが少なくて済むなどの理由から、液晶ディスプレイモデルのニーズが次第に増大していった。ただ、液晶ディスプレイの実売価格はCRTに比べて高く、そのことが液晶ディスプレイ付属モデルの販売を左右する原因となっていた。

 97-98年当時、液晶ディスプレイメーカーおよびパソコンハードメーカーは、「液晶ディスプレイの実売価格が10万円を切れば、一気に普及が加速する」と予測していた。現在、その予測通り、実売価格で10万円を切る液晶ディスプレイが続々登場することで、デスクトップの標準付属ディスプレイは、その大半が液晶ディスプレイに置き換わりつつある。

 液晶ディスプレイ付属モデルだけの平均実売価格は、01年12月で20万2062円。一方、CRTディスプレイ付属モデルの平均実売単価は、アパーチャグリル、シャドウマスクなどCRTの種類にもよるが、およそ12-13万円台である。CRTディスプレイ付属モデルと比較すれば割高ではあるものの、セット価格の平均が20万円台ともなれば、消費者の選択肢としては十分だ。

 販売の現場でも、「少々割高となることは承知で液晶ディスプレイ付属モデルを購入していく層がほとんど」との声が多い。

 だが、液晶ディスプレイ付属モデルが構成比率の大半を占めることは、ノートに対するデスクトップの価格優位性が揺らぎ始めていることの証左でもある。

 パソコン全体の構成比率に占めるデスクトップパソコンの比率は、事実、下降傾向にある。

 BCNランキングでは、01年7月には41.6%がデスクトップで占められていたが、8月に41.1%、9月に42.6%、10月に40.8%、11月に42.2%、12月には39.7%となり、ついに40%台を切る状態となっている。

 省スペース性の観点でパソコンを購入する層が拡大していることが、液晶ディスプレイ付属モデルの堅調につながっているわけだ。

 その意味では、デスクトップがノートにいつまで経っても太刀打ちできないのも事実だ。価格面でいっそうの強みを発揮しない限り、今後デスクトップの販売状況はさらに厳しい状況になっていくと予想される。(谷古宇浩司)