パソコンの前年割れが続いている。春商戦ヤマ場の3月、台数ベースでデスクトップは前年の62%、ノートは77%だった。金額ベースでも、デスクトップが66%、ノートが68%と厳しい数字だ。デスクトップで100%を超えているのはソニーだけ。ノートではシャープだけだ。ソニーがデスクトップで伸びる一方、NECのデスクトップの衰退が目立つ。1-3月期の前年比で、NECは40%台まで落ち込んだ。

ソニーの“ひとり勝ち”状態続く


 ソニーは、昨年1年間、デスクトップの開発に力を入れた。その結果、前年比112%(3月実績、台数ベース)とプラスに動いた。一方、ノートでは同72%(同)まで落とした。昨年度(02年3月期)の出荷台数目標は、デスクトップ、ノートを合わせて国内180万台を目指していたが、後半のノートの落ち込みを受けて、最終的に170万台に下方修正した。ソニーでは、「今年はノートの開発に力を入れ、デクストップとの均衡を図る」(ソニーマーケティング・福島秀樹統括部長)と話す。すでにA4薄型の「バイオVX」(3月25日-31日の週次統計で台数シェア1.4%、金額シェア1.9%)に続き、夏商戦に投入予定の小型A5「バイオU」などを発表している。シャープも「ムラマサ」など新製品の投入で、ノート領域で前年比を高めた。東芝は、可もなく不可もなく前年並みを堅持。アップルは、新製品投入時の繁忙期と閑散期の落差が激しく、月単位での前年比較はあまり意味をなさない。アップルの製品特性から考えれば、年単位での比較が妥当だ。

 深刻なのは、これまで強かったNECの衰退だ。デスクトップの台数ベースにおける前年比では、1月が46%(金額ベースは前年比44%)、2月が43%(同43%)、3月が41%(同40%)と40%台で推移。いくらNECに体力があるといっても、例えば「昨年の3月春商戦で100台売れていたパソコンが、今年は40台しか売れない」のでは、あまりにも厳しい。「不振だ」と言われるソーテックでさえも、デスクトップにおける台数ベースの前年比は、1月で53%(金額ベースは前年比56%)、2月で54%(同60%)、3月で52%(同58%)と、前年比50%以上を維持している。

 前年比で見ると、デクストップで躍進するソニーと、シェアをソニーに譲るNECとの流れがよく分かる。デスクトップでは衰退が顕著なNECだが、ノートの台数ベースにおける前年比では、1月が66%(金額ベースは前年比55%)、2月が67%(同55%)、3月が76%(同60%)と、辛うじて60-70%台を堅持。だが、台数ベースの前年比に対し、金額ベースの前年比は50-60%と低い。一方、富士通は、前年比でNECほどシェアを落としていない。前年同期はNECよりシェアが低かったものの、粘り強く一定のシェアを維持し続けた結果、前年比で見た場合の落ち込みが少ない。

 富士通のデスクトップの前年比は、1月65%(金額ベースは前年比63%)、2月59%(同56%)、3月54%(同50%)。ノートの前年比は、1月80%(同72%)、2月87%(同77%)、3月81%(同72%)と、厳しい数値に変わりないが、NECよりは良い。富士通パーソナル販売推進統括部第一販売推進部・三竹兼司部長は、「今年の夏商戦においても前年比90%で生産計画を立てている。昨年夏も悪かったが、逆に一昨年夏が良すぎたと考えるべき。前年比百数十%などという無茶な計画を立てず、着実に台数シェア25%を獲り、利益を出し続けることが至上命題」と話す。(安藤章司)