PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第3回 ヤマダ電機

2002/07/15 18:45

週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載

 ヤマダ電機の売上高の伸びは、14社のなかでも群を抜いている。2001年度(02年3月期、単体ベース)で5608億円と前年度比19.0%増だったが、98年度以降、過去4期の年率伸長度は平均40%以上を記録してきた。その大きな原動力になったのが「テックランド」の店舗展開だ。(DRC(データリサーチ社)・代表取締役 青木康祐)

 売上高、店舗数、1店舗当り売上高比較(97年度と01年度)では、97年度が売上高1620億円、店舗数96店舗で1店舗当り売上高が18億円。01年度では同5608億円、同146店舗で同44億円と、店舗数が1.5倍の増加に対し、1店舗当り売上高は2.3倍と大きく拡大している。

 売上総利益率は15.47%(01年度)で14社平均15.76%に比べて0.29ポイント下回っている。これは粗利益率の低いパソコンを含む情報家電製品の売上ウェートが高いことが要因。家電量販店ながらもパソコン関連製品の全社売上高に占める割合は35.1%、パソコンを含む情報家電では40.8%。なお、家電製品の売上比率は59.0%。

 販管費率では、13.68%(01年度)と前年度に対し1.04ポイント上昇したが、14社平均15.84%に比べ、2.16%も低くなっている。営業利益率をみると、01年度で1.79%と前年度に対し0.20ポイント下がっているが、2%近い利益率を維持している。

 厳しい流通環境ながらも「テックランド」の店舗展開を強力に推進。今年5、6月の2か月間で名古屋栄店(名古屋市中区)、奈良本店(奈良市)など7店舗を出店している。

 昨年9月には関西地区の家電量販店・和光電気を買収し和光ヤマダ電機を設立。さらに、今年4月にはイトーヨーカ堂がもつダイクマの全株式を取得、神奈川地区の販売強化に乗り出した。6月から10月にかけてダイクマの店舗10店をテックランドに業態転換する。02年度は売上高7200億円、経常利益240億円に目標設定しているが、和光ヤマダ電機と旧ダイクマ店舗が本稼動に入れば、グループ全体の売上高が1兆円を超えるのも近い。
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