検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第5回 ヨドバシカメラ

2002/07/29 16:51

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

新規ユーザー獲得が好調 サイト購入者の30%弱占める

 ヨドバシカメラ(藤沢昭和社長)が運営するECショップ「ヨドバシ・ドット・コム」は、サイトでの購入者数のうち、新規購入者が30%弱を占める。お客様コミュニケーション部・吉澤勉部長は、「既存店舗の常連客に加え、ヨドバシカメラが近くにない消費者も購入している」とみている。サイトを開始したのは97年10月。立ち上げ当初は、パソコン上級者の購入が大半だった。だが、「新製品やカメラ製品を競合店舗よりも早く豊富に揃え、ヨドバシカメラのイメージをサイトでも実現する」ことに注力、最近では、初心者層の購入が目立つ。

 アイテム数は、4万-4万5000の品揃えを誇り、1日のアクセス数は70-120万ページビュー。購入者層は、20-40歳代で、男性が約6割、女性が約4割で構成する。「家族で店舗に来る感覚でサイト内を閲覧し、パソコンと食器洗い器、ゲームソフトをまとめて購入する傾向が高い」という。たとえば、食器洗い乾燥機に関しては、月間平均約200台の販売台数に達している。

 納期は、在庫がある場合、商品代金の決済完了後12時間以内に発送センターからの出荷手続きを完了することが基本。在庫がない商品については、メーカーと店舗受発注システムが連携しているため、システムを通じてメーカーに発注がかかる仕組みだ。今後の購入者拡大策としては、「サイトの構造では、1クリック増えるごとに閲覧者が減っていくといわれている。そのため、ストレスなくサイトを閲覧したり、商品を購入できるようなサイトに仕上げる」としている。

 「現在、サイトで購入した場合、ポイントは貯まるものの、そのポイントは既存店舗でしか使うことができない。将来的には、サイト購入の際にもポイントが使えるようにする」ことも検討する。吉澤部長は、「ネットは、店員の接客技術を上げるもの」と位置づける。「既存店舗で購入していた消費者が、サイトで購入するようになってしまうのは、既存店舗の接客が悪いからだ。店員がネットを競合店舗と意識し、ネットと既存店舗双方とも切磋琢磨することが重要だ」と強調する 01年度は、100億円弱の売上高だった。今年度の売上高は、前年度比60%増の160億円を目指す。
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外部リンク

http://www.yodobashi.com/