PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第9回 ラオックス

2002/09/02 18:45

週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載

 2001年度(02年3月期)は、主力商圏である東京・秋葉原電気街店舗の再編成を実施した。特に「ザ・コンピュータ館」のリニューアルを行い、IT総合専門館として個人および法人の両顧客への販売とソリューションを強化した。決算概況をみると、単体ベースでの売上高が1668億円、前年度比11.3%の2ケタ減。そのなかで、直営店の売上高が同13.6%減の1209億円と、マイナス幅が大きかった。(DRC(データリサーチ社)代表取締役 青木康祐)

 一方、業務提携店への卸売上高は450億円で同5.7%減にとどめた。これまで着実に売上増を続けてきたが、01年度でブレーキがかかった。店舗効率をみると、1店舗当り売上高は18億8900万円。00年度の24億1200万円に対し、21.7%の大幅減となった。損益状況をみると、営業損益は10億円の赤字。営業外収益に12億円の仕入割引があったため、経常段階で何とか9600万円の黒字にはなったが、マイナスに近い黒字といえる。

 営業赤字は、粗利益の低下が要因だ。01年度で売上高総利益が14.84%と15%を切ったのが痛い。何とか16-17%台に回復させたいところだ。02年度計画では売上高が前年度比13.9%増の1900億円を目指すが、経常利益は5億円と売上高対比0.26%と控えめ。

 秋葉原電気街に売場面積が約5000m2の「総合エンタテインメント・ショップ」(仮称)を新規オープンする。今年6月、撤退した「T・ZONE.ミナミ」、同8月撤退の「ミナミ無線電機」が出店していたミナミ電気館を一棟借りし入店する。家電流通業界では、カメラ量販店を含む大型店の出店競争が激化、老舗量販店が倒産するなど生き残りを賭けたM&Aが活発化している。ラオックスはこれまで、秋葉原電気街の松浪無線、神田無線電機、ナカウラ、さらには仙台・庄子デンキなどを救済に近い形で合体してきた。05年には秋葉原電気街にヨドバシカメラの出店が決定しており、同電気街の盟主として、今度、どのような手を打っていくのか。真価を問われる年になりそうだ。
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