店頭流通

アイコム  17、19インチの液晶モニタで勝負

2002/09/02 18:45

週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載

 アイコム(井上徳造社長)は、17インチ、19インチのTFTカラー液晶モニタを発売したが、今後、量販店への営業を強化、店頭シェアを高めていく意向である。液晶モニタ市場は成長基調を維持しているが、競争も厳しく、シェアの面では戦国時代の真っ只中にある。

販売店獲得へ本腰

 アイコムは、アマチュア無線機器のトップメーカーとして知られ、「ICOM」ブランドは世界でも高く評価されている。

 同社では、多角化の一環として、3年ほど前にパソコンの製造、販売に進出、その一環として液晶ディスプレイは「アイ・ビスタ(i-Vista)」のブランドで商品化した。

 昨年、15インチで3万9800円という価格設定のモデルを投入、業界に衝撃を与え、知名度も上がったが、「その後のパネル価格の高騰でさすがにこの価格では無理となり、現在の15インチモデルは4万円台半ばで販売されている」(営業本部第2営業部販売企画課システム支援グループ・河上修一主任)という。

 今後の市場としては、「17インチ、19インチといった大サイズ化の方向をたどるのは確実」と見て今回の製品を商品化した。

 17インチのLD-T17Eはアナログ入力、19インチのLD-T19はアナログ入力に加え、デジタル端子も装備している。また、両モデルともスピーカーを内蔵するなど、他社製品との差別化を図っている。 価格はオープンだが、17インチは7万9800円程度、19インチは12万円前後を想定している。

 「アマチュア無線の世界では当社のブランドイメージは高いが、パソコン関連ではそれほどでもない。しかし、信頼性の高い製品をリーズナブルな価格で販売していけば、シェアは取れる。そのためには店頭での露出度を高めるのが第一歩になるので、店頭販売店への働きかけを強めている」という。

 すでにヤマダ電機は100店舗で同社製品を扱っており、今後は東京・秋葉原や大阪・日本橋の販売店獲得により、露出度を高めていく。
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