PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第14回 ピーシーデポコーポレーション

2002/10/07 18:45

週刊BCN 2002年10月07日vol.960掲載

 ピーシーデポの事業展開の大きな特徴は「PC DEPOT」店舗オペレーションのノウハウをパソコン販売の弱い家電量販店に提供している点だ。現在、ケーズデンキとミスターマックスで行っている。2001年度は店舗にとって厳しい環境のなか、ブロードバンド元年と位置づけ、業界に先駆けてブロードバンドおよびモバイル専門コーナー「iStation21(アイステーション21)」を小型店2店を除く全店に配置した。(DRC(データリサーチ社)代表取締役 青木康祐)

 店舗展開については、01年7月に千葉県市川市に新フォーマット店舗の「iStation21市川妙典店」を出店、同年10月、東名川崎店および港北本店の2店舗を「iStation21」に変更し、ブロードバンドなどIT関連サービスコーナーを強化した。また、02年1月に横浜本店をオフィス・デポジャパンと共同出店することで、パソコン関連商品とオフィス用品の品揃えを行い、ユーザーニーズに対応できるようにした。その結果、新規出店1店、改装3店で総店舗数15店となった。

 さらに02年2月に法人営業部を新たに設立し、法人向けの営業を強化した。決算概況をみると、単体ベースでの売上高は前年度比5.1%減の288億円。そのなかでパソコン本体が同17.9%、プリンタが14.5%といずれも大きなマイナスとなった。一方、損益面は、売上原価率を85.75%に抑えたため、売上総利益は前年度に比べ5.9%アップし41億円となり、売上高対比で14.35%の粗利益率を確保できた。

 そして販管費を前年度を下回る38億円と売上高対比13.17%に抑えた結果、営業損益は前年度を大幅に上回る3億円の黒字を計上できた。02年度は売上高300億円、経常利益5億5000万円を目指すが、神奈川県を主力地盤とするピーシーデポにとって、ヤマダ電機の同地区での営業強化が脅威となっているのは否めない。そのため、新POSを導入し、経営効率化によるローコストオペレーション体制の構築を推進し、計画達成を目指している。
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