日本の店長

<日本の店長>第9回 グッドウィル エンターテイメント・デジタルモール 加藤誠吾店長

2003/03/03 18:45

週刊BCN 2003年03月03日vol.980掲載

 グッドウィルのエンターテイメント・デジタルモール(名古屋・大須地区)は、「提案」と「楽しさ」の追求で来店者数を増やしていく。1日平均の来店者数は平日が3000人、週末が6000人。現在は、パソコンマニアや中級者層が来店するケースが大半。そこで、既存顧客層を確保しつつ初心者の集客率を高めることで売上増につなげる構えだ。

「提案」と「楽しさ」を追求

 加藤誠吾店長は、「郊外の競合店舗による激しい価格競争で、大須電気街にパソコンや関連製品を求めて訪れる消費者が少なくなった」と語る。「今年度(2003年9月期)の売上高は前年度割れが否めないだろう」という。同店舗は、グッドウィルが大須地区に開いていた店舗を統合し、家具販売店だったビルの1階から5階にパソコン本体やパソコン関連製品、フィギュアなど、2万アイテム以上の商品を揃える。大須地区のなかでは大規模な店舗だ。

 「大須電気街の新しい名所として、何度でも来店したいと思わせる店舗作りを追求していく」と意欲を燃やす。同店舗では、組み立てパソコン用パーツの売り上げが前年に比べ40%増と好調だ。売上高構成比は全体の約30%と、パソコン本体の約40%に次ぐ高い比率を占めている。これは、「既存顧客であるパソコンマニアのリピート率が高いため」という。

 新規顧客の増加策では、パソコン販売フロアとなる2階部分で各メーカーのパソコンを展示することに加え、メーカーブースによる実体験提案を行っている。昨年11月からは、ソニーのパソコン「バイオ」や携帯情報端末の「クリエ」、テレビの「ベガ」、デジタルビデオカメラの「ハンディカム」、ビデオサーバーの「コクーン」などが実体験できる「ソニーバイオ&ユビキタスコーナー」を設けた。また、1階のカフェダイニング「BOYDS BARISTA COFFEE」や地下のダイニングバー「EMS3」の設置で、パソコンに興味がない人でも大須に足を向けるような店舗構成としており、「EMS3では、週末にバンドのライブを開催する」など、各種イベントにも取り組んでいる。(佐相彰彦)
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