店頭流通

ソーテック イーマシーンズ対抗の低価格パソコン販売

2003/03/03 18:45

週刊BCN 2003年03月03日vol.980掲載

 ソーテック(大邊創一社長)は、イーマシーンズに対抗して5万円クラスの低価格パソコンを3月中旬から特定の販売店向けに卸販売を始める。

 3月10日からピーシーデポコーポレーション(PCデポ)の店頭で、4万9700円の低価格機の販売を始めるほか、ラオックス秋葉原店など、イーマシーンズを扱う九十九電機と競合が激しい店舗などから引き合いが急増しているという。4万9700円の値付けは、4万9800円のイーマシンズを意識して100円、安くした。

 PCデポでは、この低価格パソコンを独自のブランド「バリューアップ」として販売する。ソーテックがPCデポ向けに卸販売を始めたのは、「PCデポがまとまった台数を買い取って販売するとコミット(約束)した」(関係者)ため。今後は、ソーテックと日頃から取り引きがある販売店向けに順次卸販売する。

 PCデポの「バリューアップ」ブランド製品とほかの販売店で売る同種のソーテックパソコンとは、基本的に同じ仕様になるという。

 これまでソーテックは、販売店経由で売るモデルについては、パソコン本体とモニター(液晶やCRTなど)をセットで販売してきた。今回の製品では、イーマシーンズと同様、本体のみで5万円前後という対抗価格を打ち出す。

 九十九電機などが昨年12月から販売を始めた米イーマシーンズの売れ行きは、4万9800円の安さということもあり、好調に推移している。九十九電機では、当初の年間出荷台数10万台を、早くも12万5000台に上方修正した。

 低価格が武器のソーテックとしては、低価格市場をイーマシーンズに「丸々もって行かれる」という事態を全力で阻止する構え。今回の製品は、「ソーテックはイーマシーンズクラスの低価格パソコンを出せるということを示した。この意義は大きい」(関係者)という。

 九十九電機や石丸電気などイーマシーンズを扱う店舗と競合する販売店を中心に、ソーテックの低価格パソコンに対する需要が大きい。一方で、ソーテックは、イーマシーンズの4万9800円レベルの低価格市場に食い込むための施策として、販売店を限定して低価格パソコンを卸売るという手段に出た。
  • 1