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セキュリティソフトの販売動向 ソースネクストが躍進

2003/04/28 18:45

週刊BCN 2003年04月28日vol.988掲載

 ソースネクストの1980円戦略が、セキュリティソフト市場に変化をもたらしている。シマンテック、トレンドマイクロの大手2社による寡占状態に、ソースネクストが割って入るという構図だ。図は、BCNランキングにおける最近6週間のセキュリティソフトのベンダー別シェア推移(週次、本数ベース)。

価格戦略で本数シェア伸ばす


 ソースネクストの1980円戦略が、セキュリティソフト市場に変化をもたらしている。シマンテック、トレンドマイクロの大手2社による寡占状態に、ソースネクストが割って入るという構図だ。図は、BCNランキングにおける最近6週間のセキュリティソフトのベンダー別シェア推移(週次、本数ベース)。

 ソースネクストが3月17-23日の週から急激にシェアを伸ばし、2位のトレンドマイクロにわずか5.29ポイントの差にまで迫った。図で表示した週の中だけでも、最大時で両社の差は28.64ポイントも離れていただけに、ソースネクストの猛烈な勢いが感じとれる。また、トップシェアを堅持しているシマンテックも、ソースネクストの好調のあおりで、シェアが下落傾向にあり、3社間の差は縮まり始めた。大きな要因は、ソースネクストが主力セキュリティソフトを3月23日から1980円に値下げして販売を開始したことが考えられる。

 3月10-16日の週では、ソースネクストのシェアは6.51%だったが、発売日を含む3月17-23日の週には、一気に16.66%までに達していることからも明らかだ。だが一方で、金額ベースでは3社間のシェアは縮まっていない。ソースネクストの金額シェアは、3月10-16日で4.97%、3月17-23日で9.16%と、2倍近くの伸び率を記録しているが、低価格の影響を受け、本数ベースほどの伸びはない。1980円という大胆な低価格戦略が、まずは市場に大きなインパクトを与えた。今後、これまで以上の伸びを見せ、金額でも本数同様の数字を叩き出せるか。最近増えている新規参入組の動向も含めて、セキュリティソフト市場が白熱してきた。
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